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2010年11月11日

【コーヒー屋の話を聞く 小川清(平岡珈琲店)×中川ワニ(中川ワニ珈琲)@チッポグラフィア】vol.1「焙煎ほど楽しい仕事はない」

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10月30日に豊中のチッポグラフィアで開催された東西二大珈琲人のトークショー、『コーヒー屋の話を聞く 小川清(平岡珈琲店)×中川ワニ(中川ワニ珈琲)@チッポグラフィア』。珈琲の話からはじまり、食の業界に関することや、お店作りに関すること、そしてお店を選ぶ私たちが心がけたいことなど、「金の名言」が飛び交う素晴らしいトークが繰り広げられました。

Musicafeではこのトークから、これは!の名場面を、毎週木曜日にシリーズで連載していきます。
vol.1は「焙煎ほど楽しい仕事はない」です。

※写真はイベントのもう一つのお楽しみ、小川さんが珈琲を淹れて下さっている場面より。

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小川清さん(平岡珈琲店)<以下、O>
平岡珈琲店の小川です。平岡珈琲は私の祖父が、千葉県から大阪で開いた珈琲店です。うちはもともと醤油屋でして。たまたま移民船にうちの5代前、おじいさんのおじいさんが向こうに行ったら帰ってこれないわけですから、せめて醤油屋にいる間は日本食を食べてちょうだいというわけでうちの醤油を樽で何樽か送ったんです。

するとその中にお一方だけ珈琲農園で成功した方がいて、「あのときはありがとうございました。」と珈琲豆を送ってきて。誰も何なのかわからない。茹でても膨らまないし、一体何をするものかと思ったんですけど、うちの祖父だけは東京に別宅があって、珈琲というものを知っていたようで、「これは金になるかもしれない。」と思ったらしいです。

日本人も当時は着物ですが、洋服を着て洋食を食べるようになる。だから醤油なんか作っていたらこの家は潰れてしまう。それがはじまりです。よろしくお願いします。

■平岡珈琲には生活そのものがある。

中川ワニ(中川ワニ珈琲)<以下、W>:
ぼくね、今日はお聞きしたいこといっぱいあるんですよ!大阪来るようになって12年ぐらい経つんですけど、一番最初に人から教わって行って、一番気に入っている大阪の喫茶店の一つが平岡珈琲なんです。何が一番気に入ったかというと、あそこは生活そのものがあるといった感じで、ここで、ここの人たちはみんな家族がお正月も迎え、季節の変わり目を迎え、そこに人が出入りをしてそういった空気が動いている。そこにお客さんが来て、それで珈琲や飲み物とドーナツと必ず組み合わせて頼まれる方が多くて。その風景を見ていると、食住一体というか。焙煎もやってらしたんですか?

O: 祖父が使っていたのは七輪です。私が始めたときもそうです。今の焙煎機は10年前に買って、やっと温度計が付いてラクになりましたが、それまでは音を聞いて、耳で判断するしかなかったんです。目で覗き込んでも暗いので。

W: 最新のを見ると、いろんな計器が付いているからすごい便利ですよね。ぼくもね、最初やり始めたときに、温度計しかなかったんです。それも割とあてにならない温度計だったから、火の加減も自分で火を見て、焼けている状態を自分で見ながらやってたんで。焙煎し始めてから6、7年経って初めてガス圧計を付けたんですけど、「こんな便利なものがあるのか!」と思ったぐらい(笑)。

■数字で管理することはすごく大事。

O: あれのおかげでデータが取れるんですよ。今はね、ガス圧、一番最初の温度いくらから始まって、豆を入れるとどれだけ落ちた、その後いくらずつ上がっていったと全部グラフに出てくるんです。それに併せて焙煎すれば、必ずほぼ同じことができます。だから私が10年前にガス圧計と温度計を両方付いているのを買ったときは、毎日記録を付けたんです。今はそれに合わせて、外気温がいくらである、外が雨だからということを考えてガス圧調整をしてやっています。慣れたらそんなにブレないでしょ。だから数字で管理することってすごく大事なんです。

W:そうですね。大体そんなに気にしなくても、一回そういうのを細かくやってしまうと、ある程度のところまでは大体カンで。ぼくね、本当に焙煎をはじめて楽しいことだなって。

■焙煎ほど楽しい仕事はない。

O: いっぺん自分で焙煎したら、病みつきになります。すごい楽しい作業なんです。それは思います。焙煎ほど楽しい仕事はないです。

まずね香りが変化する、次に色が変化する、それから音の変化がダイナミックです。見たことある方もいるかもしれませんが、最後のところで2回跳ねるです。188度ぐらいから190度ぐらいでパチパチパチパチ〜と弾けはじめて、それが1回止まるんです。止まってから、ちょっとしてからバラバラバラバラと弾け出すんです。そのあたりからが勝負で、計器類とストップウォッチとにらめっこして、音の変化でどこで落とすと決めているんです。
この辺がスポーツ感覚ですね。うまくいったときは、「やったー!」と、本当にお金もらってこんなことをしていていいんだろうかというぐらい楽しいです。

W:あの瞬間って独特のものがありますよね。

O:2秒違ったら味は変わります。だからもう本当に「今」というその一瞬なんです。そのときにガッとつまづいたりして0.5秒ぐらい遅れると非常に不満が残りますね。1kgの豆が8百何十グラムになるけれど、840gを狙って850gだったら、これはもうちょっと自分で飲まないと店では出せないんですけど、1%違うというのはかなり大きな違いなんですよ。それぐらい珈琲の焙煎って逆にすごくおもしろいです。是非チャレンジしてほしいです。

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次回は飲食業界にいるお二人が日頃感じている「情報の共有化とオープン化」についての話題を取り上げます。

vol.2は11月18日(木)配信予定です。
お楽しみに!


ラベル:珈琲
posted by MusiCafe♪ at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 【Musicafe♪】スペシャルトーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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