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2010年11月25日

【コーヒー屋の話を聞く 小川清(平岡珈琲店)×中川ワニ(中川ワニ珈琲)@チッポグラフィア】vol.3「お店の“空気”」

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10月30日に豊中のチッポグラフィアで開催された東西二大珈琲人のトークショー、『コーヒー屋の話を聞く 小川清(平岡珈琲店)×中川ワニ(中川ワニ珈琲)@チッポグラフィア』。珈琲の話からはじまり、食の業界に関することや、お店作りに関すること、そしてお店を選ぶ私たちが心がけたいことなど、「金の名言」が飛び交う素晴らしいトークが繰り広げられました。

Musicafeではこのトークから、これは!の名場面を、毎週木曜日にシリーズで連載していきます。
vol.3は「お店の“空気”」です。

※写真はイベントのもう一つのお楽しみ、小川さんが珈琲を淹れて下さっている場面より。
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■大阪なら大阪でしか飲めない珈琲がある方が絶対楽しい。

中川ワニさん(中川ワニ珈琲)<以下、W>:
そこの土地で食べる贅沢というか、そこに行って食べれるというのは贅沢だと思うし、それした方が日本って豊かだと思うんですよ、日本全国どこでも手に入るとするよりは。そんなの10〜20年前の思想ですよね。今の消費者はフットワークも軽いし、実際にそこに行くのを楽しみながら、なおかつそこにもうワンプラス楽しんで帰ろうとします。そのためには、全国どこにでもあるものしかない町に行ったら、僕は結構つまらないと思うんです。

最近僕は珈琲のことで、いろんなところに旅にでるんですが、その土地の珈琲を作った方がいいんじゃないと言い始めています。その土地の食文化に根ざした、大阪なら大阪でしか飲めない珈琲がある方が絶対楽しい。そこへ行って、飲んで、そこの空気の中で、その雰囲気で、そこに生きている人たちの顔を見ながら飲んだほうが絶対いいに決まっているんですよね。東京のどこかで流行ったからチェーン店を作って、東京と同じ味ですよとやることに、今はほとんど意味がないと思うんですよ。

■僕にできて、スタバに絶対できないこと、それはそこに行かないと絶対にない“空気”。

小川清さん(平岡珈琲店)<以下、O>:
おっしゃるとおりです。10年前に焙煎機を入れたときに、なぜ焙煎機を入れたかというと一つは前の釜が壊れた。もう一つはちょうどスターバックスが展開を始めたときなんです。大阪で展開するとしたらうちの近くに違いないと思ったんですよ。真剣に考えました。スタバにできて、僕にはできないこと。僕にできて、スタバに絶対できないことというのは、"空気"なんですよね。そこに行かないとないものなんです。

■検索できない“サムシング”を店に作る。

O:スタバは逆を考えたんです。どこの国のどこの店に行ってもあの看板のところに入ったら同じ安心感があると考えたんです。その考え方自体は別に悪いことじゃないんですよ。今は検索がありますから、みんなが何かほしいものがあったら具体的に検索すると、たちどころに情報がいっぱいでてきます。だけど、町を歩くときってそんなこと考えてませんよね。あそこに行ったら何かあるとか、あそこに行ったらいつも面白いことやっているとか。何かって検索しても絶対でてこない。検索できない“サムシング”ですよね。それを店に作らなあかんということを考えました。

一つは焙煎。絶対に揺るがせないものです。もう一つは壁面を無料のギャラリーにしたんです。なんで無料にしたかというと、結構喫茶店で1日1万円とか有料で貸しているところもあるんですけれど、それをやってしまうとプロしか展示できないんです。1週間展示すると十数万ですから、素人で自分で絵を書いてそんなお金を出せる人はなかなかいないですけれど、でもアマチュアのアーティストで、レベルの高い人はいっぱいいるんです。その人たちに壁を貸して、「1ヶ月壁を貸してあげるから展示しないか。」と声をかけたら、「やらしてくれるんなら、是非。」という人がいたので、それじゃあ本格的なギャラリーの設備はこちらで準備するから、悪いけど持ってきて持って帰るのはやってくれということで展示することにしたんです。

■そこで培われた空気は、絶対“ある時間”かけないと作れない。

O:やはり展示によってそこの空気が変わるんですよ。作品ですから、個性が露骨にぱっとでるわけで、来るたびに違う店みたいに見えるというお客さんもいらっしゃって。ワニさんが言ったとおりです。施設はお金をかけて作れるんです。だけどそこで培われた空気というのは絶対“ある時間”かけないと作れないですね。ある時間そこを通過した人たちの匂いがないと。街は人がいるから街なので、いくら仮想空間で街作ったって、バーチャルはバーチャルなんです。実際の街へ足を運んで感じる空気とか匂いとかざわめきとか、そういうものなんです。そこでしか味わえないものってありますよね。

■根っこがあって変わるから居心地がいい。

W:僕ね、旅をしていて何が一番つまらなくなるかというと、そこにある必要がないだろうというものをいっぱい見ちゃうことなんです。それよりはこれ残しておいた方がいいんじゃないと。どうでもいいものを作ってというのが一番街として寂れやすい作り方だということが分かって。さっき展示のお話をされてましたけど、多分平岡珈琲という空間に、自分なりの想いがそこにあるんです。何かが入ってきたときにそこに根っこがあって変わるから居心地がいいんです。ただ表面的に変わっているだけで、どこの店でやっているか分からないんだったら、多分それはサムシングにもならずに、居心地が悪いんだと思います。

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今回のトークの中でも、一つのクライマックスのようなお話が続き、聞いていて鳥肌ものでした。飲食業界だけでなく、全てのことに通じる奥の深い話だと思います。

vol.4は12月2日(木)配信予定です。
お楽しみに!


posted by MusiCafe♪ at 09:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 【Musicafe♪】スペシャルトーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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